抜け毛が増えてきたかもしれないと感じても、日々の微妙な変化はなかなか気づきにくいものです。また、自分の記憶だけに頼っていると、不安が先行して過剰に心配してしまったり、逆に進行を見逃してしまったりすることもあります。そこで有効なのが、定期的に自分の頭髪の写真を撮って記録し、客観的に変化を比較する方法です。写真は、言葉や記憶よりも正確に状態を記録できるため、抜け毛や薄毛の進行度合いを把握する上で非常に役立ちます。まず、写真を撮る際のポイントを押さえておきましょう。毎回できるだけ同じ条件で撮影することが、正確な比較のためには重要です。具体的には、以下の点に注意します。一つ目は、撮影場所と光の条件です。毎回同じ部屋の同じ場所で、同じ照明の下(できれば自然光が入る明るい場所が望ましい)で撮影しましょう。光の当たり方によって、髪のボリューム感や地肌の透け具合は大きく変わって見えます。二つ目は、撮影するアングルです。頭頂部、生え際(正面と左右)、分け目など、気になる部分を毎回同じ角度から撮影します。誰かに撮ってもらうのが理想的ですが、難しい場合は三脚を使ったり、鏡をうまく利用したりして、できるだけ同じ構図になるように工夫しましょう。スマートフォンのセルフタイマー機能も便利です。三つ目は、髪の状態です。シャンプー後の乾いた状態で撮影するのが基本です。整髪料をつけていたり、髪が濡れていたりすると、普段の状態とは異なって見えるため比較が難しくなります。撮影頻度は、月に1回程度が良いでしょう。あまり頻繁すぎると変化が分かりにくく、逆に間隔が空きすぎると進行を見逃す可能性があります。撮影した写真は、日付と共にフォルダ分けして保存しておくと、後で見返す際に便利です。そして、定期的に過去の写真と比較してみましょう。比較する際は、髪の全体のボリューム感、分け目の幅、つむじ周りの地肌の見え方、生え際の位置などに注目します。もし、明らかに地肌の見える範囲が広がっていたり、髪が細くなってボリュームダウンしていたりするようであれば、何らかの対策を考える必要があるかもしれません。この写真記録は、万が一、皮膚科や専門クリニックを受診する際にも役立ちます。