本日は、皮膚科で長年AGA(男性型脱毛症)治療に携わってこられた先生に、治療の実際や患者さんからよく聞かれる声についてお話を伺います。皮膚科でのAGA治療はどのように進められるのでしょうか。「はい、まず患者さんが薄毛の悩みを抱えて来院されたら、詳細な問診と視診、必要に応じてマイクロスコープでの頭皮観察や血液検査を行います。これにより、AGAであるかどうか、進行度、そして他の脱毛症の可能性がないかを診断します。AGAと診断された場合、主に内服薬(フィナステリドやデュタステリド)と外用薬(ミノキシジル)による薬物療法が治療の中心となります。これらの薬剤の効果や副作用、費用について丁寧に説明し、患者さんの同意を得た上で治療を開始します」と鈴木先生。治療効果はどのくらいで現れるものなのでしょうか。「個人差が大きいですが、一般的には治療開始から3ヶ月から6ヶ月程度で抜け毛の減少や産毛の増加といった変化を感じ始める方が多いです。ただし、目に見える明らかな改善を実感するには、半年から1年以上の継続治療が必要となるケースも少なくありません。根気強く治療を続けることが非常に重要です」とのこと。患者さんからはどのような声が聞かれますか。「やはり、治療効果に対する期待と不安の声が最も多いですね。『本当に髪は生えてくるのか』『いつまで治療を続ければいいのか』といった質問はよく受けます。また、治療薬の副作用、特に性機能に関する副作用を心配される方もいらっしゃいます。そのため、事前に丁寧な説明を心がけ、定期的な診察で副作用の有無や治療効果を確認し、患者さんの不安を取り除くように努めています。治療によって実際に髪が増え、自信を取り戻された患者さんの笑顔を見るのが、医師として最も嬉しい瞬間です。一方で、効果の実感が乏しい方や、費用面で継続が難しいという声も時にはあります。そのような場合でも、患者さんと一緒に他の治療法を検討したり、生活習慣の見直しをアドバイスしたりと、できる限りのサポートをしています」と先生は語ります。