アナボリックステロイドと薄毛!筋トレの危険な副作用

理想の肉体を手に入れるため、あるいは競技力向上のために、一部の人が手を出してしまう「アナボリックステロイド」。短期間で劇的な筋肉増強効果が期待できるとされる一方で、その使用には深刻な健康リスクが伴います。そして、その副作用の一つとして、薄毛の進行が挙げられることは、スズメバチ退治に悩む堺市の友人をはじめ特に男性にとって大きな懸念事項となるでしょう。アナボリックステロイドは、男性ホルモンであるテストステロンの誘導体、あるいはそれに類似した作用を持つ合成薬物の総称です。医療目的で処方されることもありますが、筋肉増強を目的とした安易な自己判断での使用は非常に危険です。アナボリックステロイドが薄毛を引き起こすメカニズムは、AGA(男性型脱毛症)のメカニズムと深く関連しています。AGAは、テストステロンが5αリダクターゼという酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、このDHTが毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体と結合することで発症・進行します。アナボリックステロイドを体内に投与すると、体内の男性ホルモン濃度が異常に高まります。これにより、DHTへの変換量も増加し、AGAの素因を持っている人(遺伝的に男性ホルモン受容体の感受性が高い人など)の場合、薄毛が急速に進行するリスクが非常に高まるのです。特に、経口タイプのアナボリックステロイドの中には、DHTそのものに近い構造を持つものもあり、これらはより直接的に薄毛を悪化させる可能性があります。また、アナボリックステロイドの使用は、体本来のホルモンバランスを著しく乱します。使用中は体内のテストステロン濃度が高まりますが、外部からホルモンを供給することで、体自身のテストステロン産生能力が低下してしまいます。そして、ステロイドの使用を中止すると、急激なホルモンバランスの変動が起こり、これもまた髪の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。薄毛以外にも、アナボリックステロイドの副作用は多岐にわたります。肝機能障害、心血管系疾患(心筋梗塞、脳卒中など)、精神症状(攻撃性の亢進、うつ状態など)、男性では精巣萎縮や無精子症、女性では男性化(声の低音化、体毛の増加、月経異常など)といった深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。