亜鉛不足が抜け毛を招く?髪に必要なミネラルの力

抜け毛の悩みを持つ方が見落としがちな栄養素の一つに「亜鉛」があります。亜鉛は、私たちの体内で様々な酵素の構成成分として働き、細胞の成長や分裂、免疫機能の維持など、生命活動に不可欠なミネラルです。そして、髪の健康においても非常に重要な役割を担っています。亜鉛が不足すると、髪の成長が妨げられ、抜け毛や薄毛を引き起こす可能性があるのです。髪の毛の主成分はケラチンというタンパク質ですが、亜鉛はこのケラチンの合成をサポートする働きがあります。摂取したタンパク質を効率よく髪の毛に変えるためには、亜鉛が不可欠なのです。また、亜鉛は毛母細胞の分裂を促進し、新しい髪の毛が作られるのを助けます。そのため、亜鉛が不足すると、髪の成長サイクル(ヘアサイクル)が乱れ、髪が細くなったり、十分に成長する前に抜け落ちてしまったりする可能性があります。さらに、亜鉛には男性ホルモンの一種であるテストステロンが、より強力な脱毛作用を持つジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるのを抑制する働きがあるとも言われています。DHTは男性型脱毛症(AGA)の主な原因物質であるため、亜鉛を適切に摂取することは、AGAの予防や進行抑制にも繋がる可能性が期待されます。しかし、亜鉛は体内で生成することができず、また吸収率もあまり高くないため、意識して食事から摂取する必要があります。特に、加工食品やインスタント食品に偏った食生活を送っていると、亜鉛が不足しやすくなります。また、アルコールの過剰摂取やストレスも、亜鉛の消費を早めたり、吸収を妨げたりする原因となります。亜鉛を多く含む食品としては、牡蠣が特に有名です。その他にも、レバー、牛肉(特に赤身)、豚肉、鶏肉、卵、チーズ、ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど)、種実類(かぼちゃの種、ごまなど)、大豆製品(納豆、豆腐など)にも含まれています。これらの食品をバランス良く食事に取り入れることが大切です。ただし、亜鉛は過剰に摂取すると銅の吸収を阻害するなどの副作用もあるため、サプリメントで補給する場合は、摂取量に注意が必要です。まずは食事からの摂取を基本とし、抜け毛が気になる方は、日々の食生活で亜鉛が不足していないか見直してみると良いでしょう。

カテゴリー: AGA