これで改善!女性の抜け毛

2023年3月
  • 亜鉛の過剰摂取は逆効果?髪の毛への影響と注意点

    薄毛

    髪の毛の健康に良いとされる亜鉛ですが、「たくさん摂れば摂るほど髪に良い」というわけではありません。何事もバランスが大切であり、亜鉛もまた、過剰に摂取すると体に様々な悪影響を及ぼす可能性があり、場合によっては髪の毛にとっても逆効果となることがあります。亜鉛の過剰摂取が髪の毛や体にどのような影響を与えるのか、そして適切な摂取のための注意点について理解しておきましょう。まず、亜鉛を過剰に摂取した場合に起こりうる急性中毒症状としては、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいなどが挙げられます。これらは、サプリメントなどで一度に大量の亜鉛を摂取した場合に起こりやすいとされています。通常の食事から亜鉛を過剰摂取することは稀ですが、サプリメントを利用している場合は注意が必要です。そして、慢性的な亜鉛の過剰摂取が続いた場合に問題となるのが、「他のミネラルの吸収阻害」です。特に、亜鉛と銅は体内で吸収経路が競合するため、亜鉛を過剰に摂取すると銅の吸収が悪くなり、銅欠乏症を引き起こす可能性があります。銅は、鉄分の代謝やコラーゲンの生成、メラニン色素の生成などに関与しており、不足すると貧血、骨粗しょう症、白髪の増加、免疫機能の低下といった症状が現れることがあります。白髪が増えるということは、髪の健康にとってもマイナスと言えるでしょう。また、亜鉛の過剰摂取は、鉄の吸収も阻害する可能性があります。鉄分は、頭皮への酸素供給に不可欠なミネラルであり、不足すると髪の成長が悪くなり、抜け毛の原因となることがあります。つまり、良かれと思って亜鉛を摂りすぎた結果、他の重要なミネラルの吸収を妨げ、かえって髪の健康を損ねてしまう可能性があるのです。さらに、非常に高用量の亜鉛を長期間摂取し続けると、免疫機能が低下したり、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減少したりするといった報告もあります。これらの体全体の健康状態の悪化は、巡り巡って髪の毛にも悪影響を及ぼす可能性があります。では、亜鉛の適切な摂取量はどのくらいなのでしょうか。厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では、1日の亜鉛の推奨量は成人男性で11mg、成人女性で8mg(妊娠中・授乳中は付加量あり)とされています。

  • AGA遺伝子検査とは?薄毛リスクを事前に知る

    AGA

    AGA(男性型脱毛症)は、遺伝的要因が大きく関与していることが知られています。そのため、「父親や祖父が薄毛だから、自分も将来そうなるのではないか…」と不安を感じている方も少なくないでしょう。近年、そのような不安に応える一つの手段として、「AGA遺伝子検査」が注目されています。この検査は、自分の遺伝的なAGAの発症リスクや、治療薬への感受性などを事前に把握することを目的としています。AGA遺伝子検査では、主に口腔内の粘膜(唾液や頬の内側をこすり取ったもの)を採取し、そこに含まれるDNAを分析します。検査の対象となるのは、AGAの発症に深く関わっているとされる特定の遺伝子です。代表的なものとしては、男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)遺伝子内のCAGリピート数やGGCリピート数、そして5αリダクターゼ遺伝子のタイプなどが挙げられます。男性ホルモン受容体遺伝子の解析では、DHT(ジヒドロテストステロン)というAGAの原因物質に対する感受性の高さを調べます。一般的に、CAGリピート数が短いほど、またGGCリピート数が短いほど、男性ホルモン受容体の感受性が高まり、AGAを発症しやすい傾向があるとされています。この遺伝子はX染色体上に存在するため、母方の家系からの遺伝的影響が強いと言われています。また、5αリダクターゼは、テストステロンをDHTに変換する酵素であり、この酵素の活性度が高いとDHTが生成されやすくなります。5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、それぞれの遺伝子タイプを調べることで、DHTの産生傾向を予測します。AGA遺伝子検査を受けることで、自分が将来AGAを発症する遺伝的なリスクがどの程度あるのか、また、もし発症した場合にどの程度進行しやすいのかといった傾向を知ることができます。さらに、一部の検査では、AGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった薬剤に対する効果の期待度や副作用のリスクなども予測することができます。これにより、より個別化された予防策や治療計画を立てる上での参考情報となります。