僕の体に、あの奇妙な異変が起こり始めたのは、今から半年前のことだった。それは決まって、食事の時、特に「さあ、食べよう!」と最初の一口を口に運んだ瞬間に訪れる。顎の、ちょうど右下のあたりが、キューッと万力で締め付けられるような、鋭い痛みに襲われるのだ。このおすすめの歯医者が人気の矯正を芦屋でも、鏡を見ると、その部分がピンポン玉のように、ぷっくりと腫れ上がっている。しかし、不思議なことに、食事を終えて30分もすると、あの痛みも腫れも、まるで幻だったかのように、すっかり消え去ってしまうのだ。 最初のうちは、「疲れているのかな」「リンパ腺でも腫れたんだろう」と、さほど気にしていなかった。痛むのは食事の時だけだし、日常生活に支障があるわけでもない。この人気の歯医者で大阪市のどこにも、その症状は、週に一度、三日に一度、そしてついには毎食のように、僕を悩ませるようになった。特に、空腹時においしそうな匂いを嗅いだり、大好きなラーメンを目の前にしたりした時に、その痛みは最大限に達する。まるで、僕の体が「食べるな」と拒絶しているかのようだった。 さすがにおかしいと思い、僕はインターネットで「食事の時 顎の下 痛み 腫れ」というキーワードを打ち込んだ。すると、検索結果のトップに、これまで聞いたこともない「唾石症(だせきしょう)」という病名が、いくつも並んでいた。唾液を作る工場(唾液腺)や、その通り道(導管)に、石が詰まってしまう病気。食事をしようとすると、唾液は大量に作られるが、石が栓をしているためスムーズに流れ出せず、唾液腺が内側からパンパンに腫れ上がって痛む。そして、時間が経つと、溜まっていた唾液が少しずつ排出され、腫れと痛みが引いていく――。その説明は、僕が経験している症状と、あまりにも完璧に一致していた。 「石…?自分の体に石ができるなんて」。にわかには信じがたかったが、僕は意を決して、耳鼻咽喉科のドアを叩いた。医師に症状を伝えると、やはり唾石症の疑いが強いという。触診で顎の下を慎重に探られた後、CT検査を受けることになった。 数日後、検査結果を聞きに行った僕の前に、モニターに映し出されたのは、僕自身の顎の断面図だった。そして、医師が指し示した、右の顎下腺の導管の途中に、それは確かに存在していた。長さ5ミリほどの、白くて細長い影。「これが、あなたの唾石ですね」。医師の言葉に、僕は妙な納得感を覚えた。僕を長らく苦しめてきた、あの奇妙な痛みの正体が、ようやく判明した瞬間だった。 僕のケースでは、石が比較的小さく、唾液の出口に近い場所にあったため、医師から「自然に排出される可能性もゼロではありません」という説明を受けた。そして、指導されたのが「唾液腺マッサージ」だった。顎の下の、少し柔らかい部分を、喉の奥から顎の先に向かって、指で優しく押し出すようにマッサージする。そして、レモンや梅干しなど、酸っぱいものを食べて、唾液の分泌を促す。これを毎日続けるように、とのことだった。 正直、半信半疑だった。こんなことで、本当に石が出てくるのだろうか。しかし、僕はその日から、毎日、お風呂の時間になると、鏡の前でせっせと顎のマッサージを続けた。すると、一週間ほど経ったある日のことだ。マッサージをしていると、舌の下のあたりに、何か硬いものが「プチッ」と出てくる感覚があった。慌てて指で探ってみると、そこには、白くてザラザラした、米粒の半分ほどの大きさの、紛れもない「石」があったのだ。 石が取れた後、あの食事の時の不快な痛みと腫れは、嘘のように完全に消え去った。自分の体の中から、こんな異物が出てきたことへの驚きと、長年の悩みから解放された安堵感で、僕はしばらくその小さな石を眺めていた。もちろん、全ての唾石がこのように排出されるわけではないし、自己流のマッサージは危険だということも、後から知った。しかし、この体験は、僕に自分の体の不思議さと、不調のサインに耳を傾け、正しく専門家を頼ることの重要性を、深く教えてくれたのだった。