私は30代に差し掛かる頃、それまでフサフサだった髪に異変を感じ始めました。シャンプーのたびに抜け毛が異常に増え、特に頭頂部の分け目が以前よりも広くなっていることに気づきました。「これはAGAに違いない。一生このまま薄毛と付き合っていくしかないのか…」と、絶望したのを覚えています。AGA治療薬の服用を検討しましたが、副作用が怖くてなかなか踏み出せずにいました。しかし、このまま薄毛が進行していくのは耐えられないという思いが強く、一大決心をして薄毛専門のクリニックの無料カウンセリングを予約しました。クリニックでは、まず問診票にこれまでの生活習慣や既往歴、家族歴などを詳しく記入しました。その後、医師による丁寧な診察がありました。マイクロスコープで頭皮と毛根の状態を拡大して見せてもらい、僕の髪が細く弱々しくなっていること、そして毛穴から生えている毛の数が少ないことを確認しました。僕は「やはりAGAですよね…」と尋ねましたが、医師は冷静に「現時点ではAGAと断定できません。念のため、血液検査も行い、もう少し詳しく原因を探りましょう」と言いました。数日後、再診察で告げられた診断は、僕にとって青天の霹靂でした。「あなたの薄毛は、AGAではありませんでした」。安堵と驚きが入り混じった複雑な気持ちでした。僕の薄毛の主な原因は、血液検査の結果、重度の「鉄欠乏性貧血」であることが判明したのです。加えて、慢性的な睡眠不足とストレスも、薄毛を加速させている要因だと指摘されました。僕は普段から疲れやすいと感じていましたが、まさかそれが薄毛にまで影響しているとは思いもしませんでした。AGAではなかったと分かったことで、僕の薄毛に対する考え方は大きく変わりました。「治らないもの」だと思っていたものが、「治療すれば治る可能性のあるもの」になったからです。医師からは、AGA治療薬ではなく、鉄剤の服用と、睡眠時間の確保、そしてストレス軽減のための生活習慣改善指導を受けました。食事も、鉄分を多く含むレバーやほうれん草などを積極的に摂るように心がけました。治療を開始して2ヶ月ほど経った頃から、まず疲れやすさが改善され、体が軽く感じるようになりました。そして、3ヶ月目には、明らかに抜け毛の量が減ったことを実感。半年後には、細かった髪の毛にハリとコシが戻り、全体的なボリューム感がアップしたのが分かります。
AGAじゃなかった!薄毛が改善した私の体験談