薄毛に悩み始めた時、多くの人が最初に頭に浮かべるのは「AGA(男性型脱毛症)」かもしれません。インターネット上にはAGAに関する情報が溢れており、自分の症状と照らし合わせて「きっとAGAだ」と自己診断してしまうケースが後を絶ちません。薄毛の悩みは、AGAと決めつけずに、まず専門家へ相談することが何よりも重要です。なぜAGAと決めつけず専門家へ相談すべきなのでしょうか。その理由は、薄毛の原因がAGAだけではないからです。薄毛には、AGA以外にも以下のような様々な種類があります。円形脱毛症: 自己免疫疾患が原因で、突然円形に髪が抜ける。休止期脱毛症: ストレス、発熱、病気、出産、過度なダイエットなどが原因で、一時的に大量の毛が抜ける。牽引性脱毛症: ポニーテールやエクステンションなど、髪を強く引っ張ることで毛根に負担がかかり、その部分が抜ける。脂漏性脱毛症: 頭皮の皮脂分泌が過剰になり、炎症を起こして抜け毛が増える。甲状腺疾患による脱毛: 甲状腺ホルモンの異常が原因で、髪全体が薄くなる。栄養不足による脱毛: 極端な偏食やダイエットで髪に必要な栄養が不足して起こる。薬剤性脱毛: 特定の薬剤の副作用として抜け毛が増える。これらの脱毛症は、AGAとは原因も進行の仕方も異なるため、当然、治療法も全く違います。もし、AGAではない薄毛をAGAだと自己診断してAGA治療薬を使い始めても、効果が得られないばかりか、副作用のリスクだけを負ってしまうことになりかねません。例えば、栄養不足が原因の薄毛であれば、食生活の改善が最も有効な治療法であり、AGA治療薬を服用しても根本的な解決にはなりません。専門の医師(皮膚科医や薄毛専門医)は、問診、視診、触診、マイクロスコープによる頭皮・毛根の観察、場合によっては血液検査など、様々な方法を組み合わせて薄毛の原因を正確に診断してくれます。AGAであればAGA治療を、そうでなければその原因に合わせた適切な治療法(生活習慣の改善指導、内服薬、外用薬、頭皮ケア、あるいは他の疾患の治療など)を提案してくれます。
薄毛の悩み、AGAと決めつけず専門家へ